生産性にコミット②(知識習得・理解力向上編)

生産性向上

生産性に憑りつかれたオトコによる、”生産性ブートキャンプ”の第2弾です。

はじめに白状しますが、私自身の自己評価として、「勉強は好き。でもペーパーテストは嫌いで苦手(誇れる学歴も無ければ、資格も無い)。そして、理解力がなくて、分からず屋」です。
私の職場ではうっすらとそのことに察しが付いてたり、私が分からず屋さんっぷりを発揮したことで困惑した経験があると思ってます。申し訳ないなって思っています。

ですが、自分に能力が無いことを自覚しているからこそ、「自分のヘボい頭脳でも理解できるようにするには、どのように物事を捉えれば良いのか?」を 会社員になってからずっと模索と実践を繰り返してきました。

もともと、「無能な自分はこのように捉えないと理解できない」と卑屈になりながら、自己流で取り組んできたことですが、 意外にも、教育者がセミナーやスピーチで話す内容と合致していることが多く、最近では「うんうん、知ってる知ってる。おれもやってるよ。イイよね、それ」と、自己満足に浸ってます(笑)。


本題に入ります。ここでは、知識を習得する上で必要となるマインドとアクションプランや、理解力を上げるための物事の捉え方についてお話しします。


そのため、”勉強する”、”経験を積む”、”記憶する”といった、ある特定の分野に関する知識習得に特化した話ではなく、新しい知識を習得したり、把握している事象に対してより深く理解することや、他分野に活かす応用力を身に付けるための基礎力の話になります。

賢くなるための話と言い換えても良いと思います。私が賢いと言いたいのではなく、勉強する前の自分よりも賢くなるとご理解ください。賢さで他者と比べるのは無駄な行為です。

おさらい-生産性とは

< 生産性=アウトプット ÷ 工数(≒労働者×投下時間) >

要は、少ない工数で成果を出せれば(アウトプットできれば)、生産性が高い
ということになり、より多くの成果を短い時間で出すことが出来る状態ということになります。
少し具体度を上げて語ると、生産性が高い状態ということは以下の状態であると考えています。

①迷いなく作業ができる状態
②手戻りなく作業ができる状態
③再現性を発揮できる状態

=知識・経験があることで、
 成功事例を繰り返し、失敗事例を繰り返さない

「構造的」に捉える

#手戻りなく作業ができる状態 #思考の基礎力 #伝達力の向上

いきなり、抽象度が高くて分かりにくいこと言いだしましたね。少しずつ具体性を上げて話していきます。「構造的」に捉えるためには、「構造化」の定義を押さえておく必要があります。「構造化」とは、物事の全体を定義した上で「構成要素」と「構成要素間の関係」を整理する取り組み。のことを指します。


「構成要素」はイメージしやすいかもしれませんが、「構成要素間の関係」は”因果関係”、”前後関係(経緯なども)”、”全体と部分”、”具体と抽象” といったものに置き換えると良いと思います。


世の中で起きていることは、基本的に「構造化」されたもので出来ているので、「構造的に」捉えることで、理解を深めること、推測や仮説の精度を上げること、ロジカルな思考ができるようになることに繋がると考えています。社会人経験のある方であれば「論理的思考」という言葉を知っていたり、「論理的に考えろ」と言ったり、言われたりする経験があると思います。ここでは、もう少し解像度を上げて具体化していきます。


【具体例】


システム開発(しかもちょっと古め)の具体例を挙げたので、見慣れないものがあるかもしれません(管下メンバーに展開したものをそのまま使いました)

とはいえ、どんなお仕事においても、抽象度を上げて捉えると共通項が見いだせると思います。この”抽象度を上げる”というアクションは、とても大切であり、この後にも取り上げます。


【「構造的」に捉えるポイント】
①自分が直面している事象や物事が、どのように構成されていて、どのような関係を持っているのか(上記のパターンのどれに当てはまるのか)を分析する


②物事を構造の面から捉えると、目的(存在意義)の理解に繋がり、「なぜ、この作業が必要なのか?」「この作業をする上で大切な要素は何か?」ということまで思考が働く。


③因果関係は直接的原因の他、間接的な原因も含めて俯瞰的な視点で分析する必要ある。間接的な原因=置かれていた環境や状況、当時の心情(注意が向く状況でなかったことや、脅迫観念があった等を含む) など。

【アクションプラン】
①眼前に現れるすべてのもの(特に自分に関係するもの)に意味を吹き込む。これって何を示しているのだっけ?何を伝えたいものなのか?何のためにあるのか?何をきっかけに存在しているのか?


②つまり、言われたこと、書かれている文書、目に見えているものを額面通りに捉えるだけではいけない


「具体」⇔「抽象」を切り替えながら情報捉える

#手戻りなく作業ができる状態 #思考の深耕 #伝達力の向上

引き続き、物事や情報の捉え方の話になります。
ここでは、「具体」⇔「抽象」を切り替えながら情報を捉えることの重要性と、捉え方についてお話しします。

【「具体」と「抽象」が必要な理由…「具体」だけではダメ?】
「具体」が必要であることについては、皆さんもよくご理解いただけていることと思います。「具体」が重要だと感じている理由は、行動に直結するのが具体だからだと私は考えています。

行動に移すためには、”誰が”、”何を”、”いつまでに”、”どのように”、という情報を確定させる必要があり、その情報が「具体」であるからです。

ですが、他者からの作業指示、お客様からの要望は具体的なものだけでしょうか。抽象的な内容や余白があることはないでしょうか。このことから、「抽象」⇒「具体」への変換・深堀・情報収集をしながら、思考を重ねて、次の行動を移すということをこれまでもご経験があることだと思っています。


上のように、一言「アレお願い!」と言うだけで、必要な作業をやってくれる人は仕事がデキる人ですよね。この”必要な作業”を洗い出している、ときには確認をすることで、抽象情報を具体化することが良い仕事をする上での必須条件になります。


例は分かりやすくするために極端なモノを用意しましたが、言われたこと・見たことをそのまま捉えようとすると、「ゴミをポイ捨てするな」という注意・指摘の奥にある、街を汚してはいけないという、本質や本来の目的・狙いを見失うことに繋がります。(場所によっては自然や生態系の破壊をしてはいけないとも言える)

だから、ゴミを捨てるという具体的なNG行動にしか目がいかず、ツバを吐き捨てるという別のNG行動してしまってます。←ポイ捨てとツバを吐く事の共通項(街を汚していること)が見えていない。=何が悪くて、なぜダメなのか「具体」だけに注目すると、やるべきこと・やるべきではないことが限定的になり、思考の停止や選択の幅の喪失、判断ミスの助長にも繋がります。

「言われてないからやってません」、「そこまで求めるなら先に言ってください」という言い訳・免罪符が生まれる元。他責思考の始まり。他責思考の成れの果てが、指示待ち人間です。


【「具体化」&「抽象化」のポイント】
①「具体」=行動に移すための必要な情報。アクションプラン


②「抽象」=本質や概念、選択を生み出すための情報。理念・方針・価値観・思想


③「具体」と「抽象」は、両方の視点が必要。どちらか一方が大切である。ということはなく、「具体」の奥には「抽象」があり、「抽象」の実現は「具体」しかない。

【アクションプラン】
①「抽象」→「具体」への切り替え:5W3H、主語・述語・目的語を明確にする。 5W3H=「What」「Who」「Where」「Why」「When」 「How」「How many」「How much」


②「具体」→「抽象」への切り替え:「と、いうことは?」「つまり?」「なぜ?」を追究する。


③「たとえ話」を考えて発信する(トレーニング法)。たとえ話・・・「例え」と「喩え」。
→お気づきでしょうか。私のブログで「たとえ話」が出てくるのは、皆さんに伝えたい!と自分を鍛えたい!のダブル効果を狙ってます

「再現性」にこだわる

#手戻りなく作業ができる状態 #迷いなく作業ができる状態 #知識・経験があり、再現性を発揮できる状態 #伝達力の向上

これは私が管理職に就任した当初から「成功経験」「失敗経験」を大切に。と言い続けてきたことです。個人レベルから、組織レベルまで「実績」という財産を積むことができて、学び続ける習慣に繋がるからです。
よくよく思考を深めてみると、別の観点においても「再現性」は大切だと感じたことがあるので、その点を中心にお話しします。


【再現性の第3のポイント:自己理解の再現】
ここでの「再現性」は、自分が理解・判断に至った過程を再現する。ということです。理解度と定着度を上げるために「自己理解の再現」と名付けておきます。(ネーミング=入魂です。私の世界では)
人に何かを話すとき、説明するとき、オススメを教えるとき・・・何かを伝達するときに一番大切なのは「相手に理解してもらうこと」ですね。

人が、提示された情報に対して、理解や納得感を得られない理由は、結論(伝えたいこと)に行き着くまでの道筋が破綻している場合が大半です。

「構造的に捉える」+「具体と抽象を切り替えながら捉える」ことが出来たなら、自分が理解した過程や判断した道筋、ときには価値観を相手に伝えることにフルコミットすれば良い。という話です。

※「正解」を導くやり方であったり、相手に間違いを指摘されないためのテクニックではありません。あくまで、自分の考えを伝達する=「オマエの言っていることが分からない」と言われないようにする。という話。

<自分の考えが伝わらないパターンの一例>
①:結論(伝えたいこと)が迷宮入りしている
あるあるな話ですね。前提条件や付加情報(補足・参考情報)が多くて、何を、どのように見れば良いのか分からない。というやつです。(情報が多いのは良いですけど、見方を整理したり、不要な情報は削除しましょう)または、グダグダと結論を先延ばして、言い訳や御託を並べてしまうときなど。

②:道筋が飛び石になっている
これは、理解が進んでいない場合、他者からの言葉を鵜呑みにしている状態(オウム返ししかできない状態)のときにありがちです。または、定型フォーマットや過去実績のあるフォーマットやフレームワークを何となく使っている場合です。”何となく使っている”というのは、構成要素の目的・狙いが分からない状態(=構造的に捉えられてない)ということです。説明するときに、結果だけしか言えなくなってしまうという状況になる。

よく「結論を先に言え」と言うこと、言われることがあると思います。これを拡大解釈して「結論(結果)だけ言う」となってしまう場合が結構あるあるです。

「結論」とは「相手が最も知りたいこと」です。つまり納得できる状態にさせること。ということになります。その状態に相手を導くために「私はこのようにしてきました。だからこうなったのです」と簡潔に共有できるようになる必要があります。「自己理解の再現」は相手を導く手段としてご理解いただければと思います。


<余談>
自分の理解した道筋を再現することが、伝達力向上に繋がると思った経緯を話します。
冒頭で、「自分のヘボい頭脳でも理解できるようにするには、どのように物事を捉えれば良いのか?」と話していました。その卑屈とも言える自虐的な思考を理解できるに至った、判断できるに至った、その道筋(ストーリー)をそのまま伝えれば良い話じゃん!自分が理解できたのだから、他の人にも伝わるだろう」という形に、考え方をシフトしたからです。きっかけは忘れました。たぶん、仕事を教える立場になってからでしょう。


ちなみに、私が話していることを理解できない!と思っている方。あなたは無能なんかじゃないです。私のストーリーに欠落している部分があったり、事前に説明すべき前提情報を連携できてないからです。すべては私のせい。「伝わってない」は「伝えていない」と一緒です


【「再現性」に関するポイント】
①「成功経験」・・・上手くできた具体的なアクションを抽象的にも捉えて、他の業務にも当てはめられるように再現性を高める。(「具体」⇔「抽象」の切り替え)


②「失敗経験」・・・上手くいかなかった具体的なアクションを抽象的にも捉えて、他の業務にも当てはめないように再現性を無くす。(「具体」⇔「抽象」の切り替え)


③「自己理解の再現」・・・人に何かを伝える時、自己チェックをする時は、自分がどうやって理解に至ったのかを再現する。再現できない=理解や納得に至っていない。自分が理解・納得していないことは相手にも納得されない。(「構造的」に捉える)


④いずれも、やってみて初めて分かる事が多い。次に繋げることが出来ればナイストライ!。もちろん、他者からの経験談から学ぶことも大事です。

【アクションプラン】
①自分の成果は声を出して相手に説明する(資料を見てください。で終わらせない)。

②リフレクション(内省)に関する学習をする。オススメ著書は『リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術』。


いかがでしょうか。濃密なテーマで発信しました。
最後に、生産性にコミット①”「生産性を高めていく方向性やカテゴリは分けた方が、納得感が生まれるかなと思っている」”と発言した真意をお話します。

ここまで話してきた通り、「生産性を高める」という抽象的なテーマに対して、具体的なイメージやアクションプランを語るには、「生産性を高める」対象となるテーマを分けて前後関係因果関係がリンクしやすくする単位に部分化(カテゴリ分け)することで、1つ1つのテーマを構造的に情報を捉えることを狙っています。それが、私自身がそのように理解してきたことを再現した形であり、皆さんの理解の助けになると考えたからです。

小難しいことをズラズラと語っているわりには、なんとなく以上に頭に入ったのではないでしょうか?(そうだと嬉しいなって思いを込めた問いかけです)


あとは、皆さんがご自身の言葉で理解して、行動し、成功体験と失敗体験を経て、習慣化できたら、人生が変わるかもしれません。

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